お誕生日席って知っていますか?
縁があって結婚のお世話をする機会が何回かありましたが、お客様の席を決めるのは大変でした。
会社の役職などがはっきりしている人は上司の方が高い席について、部下の方には低い席についていただくことにすればすんなり決まるのですが、親戚の方や親しい人の場合は年上の人を上席にと考えますが、年が分からない人には聞くこともできず、さりとて年上の人を低い席に案内したら気を悪くするのではないかととても気を遣いました。
最近は座席などどこでも構わないという人も多くなっていると思いますが、やはり正式な場所や会合などに行くときにはふさわしい席があることを理解しておきたいですね。
マナー違反にならないように基本的な席の着き方についてご紹介しましょう。
お誕生日席とは
お誕生日席という言葉を聞いたことがありますか。
これは長方形のテーブルの短辺にあたる1人分(あるいは2人分)の席のことです。誕生日で主役の人が座る席のことを示していますが、会議などでは議長が座る席で「議長席」とも呼ばれています。
また学校などでは「班長席」とも呼ばれています。
主役の席であり、目立つ席、注目される席でもあるわけですね。
その役目にあたる人が座ることになるので、ほかの人がやたらに座るわけにはいかないことは覚えておきたいところです。
上座と下座とは?
結婚式では上座と下座というのははっきりしていて、花婿花嫁がいるのが上座で、一番遠い入り口付近が下座ということになります。
会社の会議などでは、入り口から一番遠い席が上座で、入り口付近が下座ということになります。
これは昔、武士の時代に敵が攻めてきた時に大将が真っ先に攻撃されないように大将が一番奥の席に着いたことが起源とされています。
お誕生日席は部屋の奥で一番の主役が座るところなので上席、そこから離れているのが下座ということになります。
会合などではどこに座るのが正解?
結婚式などで座席が決まっている時はその席に着けばよいので簡単ですが、もし町内の会合とか会社の会議などに出席するときに、まだ誰も来ていなくてとりあえず席に着かなければならない場合は、もしあなたが町内会長さんや議長さんならば迷うことなくお誕生日席に着けばよいわけです。
そうでない場合はできるだけ下座についている方が安全でしょう。
係の人がもう少し高い席へと案内してくれたら、安心して席を移動すればよいわけです。
反対の場合はちょっと恥をかくことになります。
私は、以前広い庭園で宴会があった時に思い思いの場所で主賓の方を待つことになっていたことがありました。
あいにく小雨が降ってきたので、一番近くのテントに入って待っていたら、そこは主賓の席だったらしく、「ほかの席にご案内します」と言われて遠くのテントまで移動したことがありましたが、全く赤面の至りでした。
円卓の場合には、入り口から一番遠い席がお誕生日席ということになりますから、主役でない限り、できるだけ入り口付近の席に着いていれば間違いないでしょう。
ただし、日本人は遠慮がちな人が多いのも事実で、後ろの席から一杯になって前の席がガラガラで主催者が上座に移るように促してもなかなか移動する人がなくて困ることもあります。
そのような場合にはぜひ気持ちよく、移動したいものですね。
どこが上座かわからないときは、案内の人にどこに座ればよいか尋ねてみるのがいいでしょう。
まとめ
お誕生日席は長方形のテーブルの短辺にあたる席のことで、誕生日や会議の主役が座ります。
円卓の場合は入り口から最も遠い席がお誕生日席になります。
座席の上座はこのお誕生日席になり、部屋の一番奥になります。
そこから離れて入り口に近い席が下座です。
会合などの場合は議長や責任者ではない限り、下座に着いておく方が無難です。周りの人に不快な思いや誤解を与えないように、座席のマナーを心得ておきたいものですね。