ひなげし

きれいな「ひなげし」を覚えて、危険な「けし」とは区別しよう

絵画の鑑定をする人は、まず本物をしっかりと見て頭に入れるそうです。
そうすれば偽物が来たら、すぐに見抜くことができるようになるからなのです。
決して本物と偽物を見比べて覚えることはしないのだそうです、そうでないとどっちが本物かわからなくなるからということを聞きました。

さて春から初夏にかけて咲くきれいな「ひなげし」は、その薄い花びらが風に揺れているところは本当に美しいですね。
でも「けし」というと大麻の原料になる毒性の強いものもあることはご存知でしょう。
ここで、絵画鑑定士の方がしているように、本物の「ひなげし」の特徴をしっかりと知って、危険な「けし」とははっきり区別することを覚えたいと思います。

「ひなげし」の特徴

ひなげしはヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布するケシ科の一年草です。
紀元前2500年のエジプトですでに栽培されていたようです。
日本には桃山時代から江戸時代にかけて渡来したと思われます。
中国の故事にちなんで虞美人草とも呼ばれています。現在はヒナゲシ、シャーレー・ポピー、モンツキヒナゲシなどの種類があり、大きな公園でも、個人の庭にも空き地や道端でも見られます。

ひなげしの花

5月~6月ごろ、分岐した茎の頂上に5㎝~10センチの花をさかせます。
花は光沢のある薄い4枚の花弁をもち、中心は多数の雄しべに囲まれた雌しべがあります。
雌しべの子房は円筒形で頂部には8~14本の筋が放射状に入っています。
一重咲きは主流ですが、八重咲のものもあります。
色は赤、黄色、ピンク、白、褐色などです。花後には子房の中に細かい種がたくさんできます。
種は熟すと蓋の下に出来た隙間からこぼれ落ちて、土壌が最適な環境になるまで80年以上も休眠することもできると言われています。
繁殖力は強く道端や空き地などにも自生しています。

ひなげしの葉

葉は荒い切れ込みが入った羽状で、菊の葉のように細めです。
株はロゼット状になっていて茎葉は互生します。

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茎には荒い毛が生えていて、上部で分岐して花を咲かせ、草丈は50㎝~1mほどになります。

けしの種

小さなゴマのような種がたくさんてきます。
あんぱんのトッピングに使われている小さなつぶつぶはこのけしの種なのですね。

ひなげしの名所

関東地方ではくりはま花の国(神奈川県横須賀市)や国営昭和記念公園(東京都立川市)、秩父高原牧場(埼玉県東秩父村)、ポピー・ハッピースクエア(埼玉県鴻巣市)、小貝川ふれあい公園(茨城県下妻市)などで見事なひなげしの花畑を見ることができます。

危険な「けし」

安全な「ひなげし」の特徴をしっかり覚えておけば危険な「けし」はすぐにわかるはずですが、もう一度危険な「けし」の特徴も見ておきましょう。

茎やつぼみに毛が生えていなくてつるつるしている。

葉は茎の生え際に巻くように生えている。

葉の形は切れ込みが浅く平べったくて太めです。

実のさやは太めです。

決め手は「太め、巻いている、つるつるしている」ですね。

けしの種はとても小さくて飛散能力が高いので、一株あるとかなり遠くまで飛んで行って増えることがあります。
野生化しやすいのでそれまでなかったからと安心してはいられません。
大型花壇向けの花の種に混ざっていることもあって、思いがけずに育ててしまうケースもあるようです。
怪しい「けし」を見つけたらすぐに保健所に連絡することをお忘れなく。

まとめ

5月~6月にきれいに咲く赤や黄色のひなげしは日本でも桃山時代からある馴染み深い花です。薄い花びらが風にそよぐ姿は大変美しく心をなごませてくれますが、アヘンの材料となる危険なけしとはよく似ています。
ひなげしの特徴をしっかりと覚えて、万一怪しいけしを見つけたら、すぐに保健所に連絡しましょう。
安全で美しいひなげしを見て楽しみたいものですね。

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