外反母趾は現代版の「纏足(てんそく)」だと言った人がいましたが、確かに日本人が下駄や草履をはいていたころは外反母趾に悩むことはなかったようです。
またアフリカの原住民は、いつもはだしですが、彼らの足はむしろ親指が内側に向いていて大地をしっかりと踏みしめているそうです。
どうやら日本人は洋式の靴を履くようになってから、外反母趾に悩まされるようになったらしいのですね。
ここで、外反母趾の本当の原因とその予防方法を紹介します。
外反母趾の正体と原因
外反母趾とは
外反母趾というのは、足の親指(母趾)の付け根の関節が人差し指(第二趾)のほうにくの字に曲がる足の変形のことです。
親指と人差し指の角度が20度以上を外反母趾と呼ぶのだそうです。
親指の関節は足の内側に突き出し、靴を履くとこすれて痛みます。
悪化すると親指の付け根の関節の付け根が脱臼することもあり、手術が必要になる場合もあるので、放置しておくのは危険です。
原因
遺伝的な要素で外反母趾は起こります。
扁平足(土踏まずがない足)や開帳足(足の指が横に広がっている足)の場合、足のアーチが崩れ足指の関節が広がっているために、靴を履くと広がった足先は靴先に圧迫されて外反母趾になりやすいのです。
親指が人差し指より長いと靴を履いた時に親指が外側に曲がってしまう傾向があります。
遺伝的要因以外でも外反母趾は起こります。
体重増加や筋力の低下などにより、足のアーチが崩れる、またハイヒールや先の細い靴を履くことで足先に負担がかかって外反母趾になることがあります。
現在多くの人が外反母趾に悩まされていますが、合わない靴を無理に履くことは外反母趾の大きな原因とも言えそうです。
「外反母趾は現代版の纏足だ」というのはあながち誇張ではないかもしれませんね。
外反母趾を予防するには
外反母趾が悪化し、痛みがひどく、歩行も困難な場合は手術も考えなければならないようです。
手術は関節の突出部分を切除して親指の骨を短く切る方法や人工関節に換える方法もあります。
著名な女優さんでひどい外反母趾のため手術をして人がいましたが、その後はとても良くなったそうです。
とはいえできれば手術をしないで治し、できれば予防も考えたいものです。
そこでいくつかの対策をご紹介します。
足に合った靴を履く
先のとがった高さのあるハイヒールは足に負担がかかります。
自分の足に合った靴を履くことは重要です。
靴選びのコツは次の通りです。
ヒールは3㎝以下
関節の出っ張りを圧迫するデザインを避ける
靴の先端は5㎜~10㎜の余裕がある靴を選ぶ
紐靴は足幅に合わせて調節しやすく、甲の部分が固定されて靴の中で足が滑りにくいのでいいです。
歩きやすい靴を履く。パーティーなどでは会場まではスニーカーなどで行き、入り口で履き替えるなどの工夫も必要ですね。
最近はシューフィッターのいる靴屋さんも増えているので相談するのもいいでしょう。
外反母趾を治す足のエクササイズをする
両足の指でグー・パーの形を作り足の体操をする。
椅子に座って、床に広げてタオルを足指でつかみながら、たぐりよせて足裏の筋肉を鍛える。
両足の親指に輪ゴムを4~5本かけてかかとを合わせたままで、つま先を外側に開いたり閉じたりして関節を柔らかくする。
このようなエクササイズで痛みを緩和し、進行を食い止めることができます。
外反母趾予防の装具を使う
外反母趾用の装具はたくさんでていますが、
痛みを和らげるパッチは親指の出っ張り部分に貼ると痛み軽減に役立ちます。
靴に入れる足底版は足のアーチの崩れを防ぎます。
矯正装具は親指と人差し指の間を広げて元の形に戻すのに役立ちます。
特に寝る時に装着すると効果があります。
最近は靴を履いた時にも使えるものも出ているので試してみるのもいいでしょう。
まとめ
外反母趾は足の親指が人差し指の方向に曲がって、痛みを伴う足の変形です。
遺伝的な要素もありますが、合わない靴を履き続けることが原因で起こることが多いようです。
外反母趾かなと思ったら、足の体操をしたり、装具を使ったりして対処しつつ、自分の足に合った靴を探しましょう。
いつでも快適な歩行で健康な毎日を過ごしたいですね。