風邪はひく、インフルエンザはかかるというのはなぜでしょう

寒い季節には風邪やインフルエンザが大流行して、学級閉鎖のニュースもよく聞きますね。
一般的な風邪の場合は、「風邪を引いた」と言いますが、インフルエンザだったら、「インフルエンザに罹った」と言いますね。
症状が軽いと「ひく」で重いと「かかる」ということでもなさそうです。
事実去年のインフルエンザは熱も低く、咳や鼻水もたいしたことはありませんでしたが、やはりお医者さんには「インフルエンザにかかりましたね。」と言われました。
そこで、「風邪をひく」と「インフルエンザにかかる」ということの意味の違いとその歴史的な背景を考えてみました。

風邪をひくとは?

風邪とは「ウイルスによって鼻・喉・気管などが冒される炎症性の疾患で、せき、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、熱、頭痛などの症状があるものの総称」です。

この「風邪」は吹く「風」と語源は同じです。
古代の中国では風は吹くだけではなくて、人の体に影響を与える原因にもなると考えられていたようです。
したがって吹く風が運んでくる「邪気」(季節や気候によっておこる体調変化や病気の原因)を体の中に引き込んでしまうと、病気になると考えられていたので、「風邪をひく」という言い方になったのです。

日本ではすでに8世紀に吹く風としての「風」という言葉が使われていましたが、平安時代には病気としての「かぜ」という言葉が使われるようになりました。
当時のかぜはせきや寒気だけでなく下痢、腹痛などの腹部症状や麻痺、てんかんの発作などの神経症状まで含まれていたようです、このころかぜを風病(ふうびょう)と発音するようになったのです。
鎌倉時代になって体に悪い影響を与えることから「邪」という字をつけて「風邪(ふうじゃ)」と呼ぶようになり、明治時代になって、この風邪を「かぜ」と読むようになり、「かぜをひく」という言い方が定着したのですね。

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インフルエンザにかかるとは

ご存知のようにインフルエンザは風邪によく似た症状から始まるので「風邪をひいた」かな、と思いますが、風邪に比べるとインフルエンザは咳や喉の痛みがひどく、熱も高く体がだるくなって食欲不振などの全身症状が出ます。頭痛や関節痛、筋肉痛などの症状を伴うこともあります。病院へ行って検査をしないと正確な診断はできませんが、原因はインフルエンザウイルスによっておこる病気です。感染力は強力で周囲の人にもうつる危険性があるので学級閉鎖や老人ホームが面会禁止にもなるわけです。単なる風邪とは違うので、インフルエンザの場合には「インフルエンザに罹った(かかった)」というわけです。

風が運んできた邪気などとのんきなことを言っている場合ではないのですね。

ちなみに英語では「私は風邪をひいた」とは

I caught a cold.

I got a cold.

と言い、直訳は「私は風邪を捕まえた」となります。風ではなくa coldを使っていますが、これには「冷温」の意味があり、いかにも寒いと風邪にかかるという感じが出ていますね。

「私はインフルエンザにかかった」は

I caught the flu.

で直訳は「私はインフルエンザを捕まえた」となり風邪でもインフルエンザでも言い方は同じです。

まとめ

風邪は風が運んでくる邪気を体に引き込むことで起こると考えられていたので、「風邪をひく」という言い方になったようです。
そのほかの病気については「病気になる、かかる」と言います。それで症状は似ていても流行性のインフルエンザについては「インフルエンザにかかる」というわけです。
いずれにしても寒い時期には、マスクや手洗い、うがいをし、十分な栄養と睡眠をとって、「風邪をひかず、インフルエンザにもかからず」に過ごしたいものですね。

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