桃の節句とも言われるひな祭りのころになると思い出すのですが、
以前引っ越しをしたとき、家のそばに立派な木があって桃の節句のころになると、
濃いピンクの美しい花がたくさん咲いていました。
桃のようでもあるし梅かもしれない、たぶん桜ではないだろうと思いつつ、
ずっとわからないままでしたが、15年後にその家を引っ越すことになったころ、
近所に方が「あれは花桃ですよ。」と教えてくれました。
ようやく名前がわかった時にはその木ともお別れだったのは、とても残念でした。
桃と梅と桜の区別がつかなかったのは私だけであることを願いますが、
ここでその違いを復習してみたいと思います。
桃と梅と桜の花の見分け方
桃
桃はバラ科のモモ属の落葉樹で縄文時代から弥生時代にかけて中国から伝わりました。
幹が白っぽく、よく見ると小さな横縞があります。
花はピンクや白で濃いピンクもあります、花弁は先端がとがっています。
花は枝から延びる茎が短く、枝から直接咲いているように見えます。
また一か所に花が二つ咲きます。
開花と同時に葉が出ます。
開花時期は2月下旬から3月下旬です。
梅
梅はバラ科桜属の落葉樹です。平安時代以降に中国から伝来したと言われています。
幹がゴツゴツしています。
花びらの先端が丸くなっています。
花は白か淡いピンク、濃いピンクのものもあります。
枝から直接咲いているように見えます。
一か所につき花が一つだけ咲きます。
満開でも木が包み込まれるほどにはならないです。
良い香りがするのも特徴です。
開花が終わってから葉が出ます。
開花時期は1月下旬から3月上旬とかなり長いです。
桜
桜はバラ科モモ亜科スモモ属の落葉樹です。日本では平安時代以降、花の代名詞のようになり、春の花の中でも特別扱いされるようになりました。
幹は濃い茶色でつるつるしていて、はっきりした縞模様があります。
花弁は先端に行くほど細くなり、先端で二つに割れています。
白やピンクの花が咲きます。
枝から長く伸びた3~5本の花枝にそれぞれ花が咲くので、満開の時は花で木が覆われて枝が見えなくなるほどです。
花が先で葉が後に出るものと、花と葉が同時に出るものがあります。
開花時期は3月上旬から4月中旬です。
簡単な見分け方
花も葉もあって、白っぽい枝に花が咲いているのが桃
花だけで葉がなくごつごつした枝から直接花が一つずつ咲いているのが梅
花も葉もあるけれども、花がたくさん咲いていて葉が見えないほどならば桜
ということになります。
それぞれの楽しみ方
桃の花は、三月のひな祭りに飾るので知られていますね。
中国では桃の木には邪気払いの効果があると考えられていたので、
桃の節句に桃の花を飾るようになったということです。
最初は女の子のお祝いではなかったようですが、
現在ではひな祭りのころには花屋さんに桃の花がたくさん出ているのを見ると、
女の子のお祝いにふさわしい気がします。
梅の花は、各地に梅まつりが行われることからわかりますが、
寒さに負けずに咲く花を見に出かける人が大勢います。梅は香りがよく、
花が長く咲いているので、花見には適しています。
桜の花はちょうど学校の入学式のころに開花するので小中学校によく植えられていて、
木の下で記念写真を撮っている親子を見かけるほどです。
桜の花の開花予報が出されるほど、日本人は桜の花が大好きのようですね。
桜は咲いている時間が比較的短いので花見のシーズンを逃さないようにするのは
大変かもしれません。
だからこそ桜の木の下で花見をしようとする人が多いのでしょうね。
まとめ
桃と梅と桜は植物としては親戚関係にあるのでよく似ていますが、
それぞれの特徴を知って、区別できるようになりたいですね。
どれも春を迎えるのにふさわしい、美しい花ですから心ゆくまで眺めて楽しみたいものです。